石村悠造 Yuzo Ishimura
名前:石村悠造(いしむら ゆうぞう)
卒業年:2008年3月
出身中学:米子立後藤ヶ丘中学校

Q1:学生時代の思い出

 
普段の学生生活はもちろん、全国の高専学生が毎年一度集まりデザインを競う
“デザコン”への出場、バンド活動や部活、まちづくり活動などなど、学内外での
思い出が沢山あります。
特に強く思い出に残っているのは、3年生の時に、若者が夢を語り実現させる事を
応援するという趣旨の“鳥取県U-35夢実現コンテスト”に応募し、大賞賞金40万円
を頂いて、大山山麓にコンテストで発表した「隠れ家」を実現させたことです。
予算に合わせて計画を立て、設計を行い、森の斜面の一部を更地にするところから
始まりました。仲間五人で、休日を利用し、3ヶ月かけ、小さな隠れ家を完成させました。
建築と言えませんが、初めて自分の設計が空間となったのがこの時です。

Q2:入学を検討中の中学生のみなさんへ
 
「建築の仕事」といっても、ビルや住宅を設計・施工する事だけでなく、建築に関係する
仕事は様々にあります。照明デザインや庭園デザイン、空港や駅の案内板デザイン、
トイレの便器や家具のデザインも建築と関係のあるデザインです。

建築雑誌をつくる事もそう。建築の範囲はとても広く、カフェやレストランのインテリア
デザインから図書館などの文化施設や大きな総合病院、時には都市まるまる一つを
デザインしたり、今後は火星や月面 の住宅やビルの設計・都市計画なんて事も
建築設計の仕事の一つになるでしょう。

「建築」を仕事にするには、いろんな知識を身につけないといけません。

いろんな体験をして、たくさん本を読んで、たくさんの人と話をし、知識を増やす必要があります。
なぜなら、上記に書いた様に、世の中にあるほとんどの構造物・空間が「建築の仕事」の範囲に
入るからです。色んな建築をつくるには知識が必要です。

高専の建築学科は、そんな「建築をつくる仕事」の基礎をしっかりと学べます。

学んだ基礎を応用する授業や課題も豊富にあり、真剣に取り組めば、学んだ事が必ず身になります。
4年生以降になると自分の学びたい分野に関係のある研究室を選択し、より専門的な設計や研究が
出来るようになります。高専でも十分に専門知識を身につける事が出来ますが、
さらに上を目指したければ大学編入・大学院進学という選択もあります。

なにやら、大変そうに見えることを書きましたが、僕自身は文化祭を楽しんだり、バンド活動をしたり、
恋愛をしたり、国内・国外旅行へ行ったりと、楽しい高専生活を送りました。


▲3年生 隠れ家 設計、施工(左写真)    ▲4年生 まちづくり活動 喜八展示 設計、施工(右写真)

Q3:現在の仕事について

 
高専卒業後は、武蔵野美術大学の建築学科に編入し、その後半年の語学留学・1年間のニートを経て、
2012年夏から中国の設計事務所で働いています。ショッピングセンター、リゾートホテル、博物館等の
文化施設、集合住宅、スタジアム、運動公園等々、3年間で20以上のプロジェクトに参加しています。

自分が設計に携わったモノは規模の大きいモノばかりで、小さいものでも延床面積が2万平米以上あります。
規模が大きいモノばかりなので、まだ殆どが実現していませんが、昨年一人で全てを担当した水メーター会社
の本部オフィスが完成しました。

▲水メーター会社オフィス写真とCGパース
▲総合運動公園CGパース

現在は北京市の天安門広場に隣接する商業施設の現場に常駐し、日本の3社の設計事務所と共同で設計をした、

ランドスケープ・ライティング・サインデザインのデザイン監理を行っています▼

Q4:メッセージ

若いうちから高専で専門的な事を学んだ先輩たちは、優秀な技術者・デザイナーとして日本・世界で活躍しています。

米子高専建築学科に興味を持たれている中学生の皆さんも、建築家として・空間デザイナーとして・ビックプロジェクト
の現場監督として、日本中・世界中で活躍している姿を想像してみてください。

世界の街の中に、自分が関わった建築が建っている風景を想像してみて下さい。自分が設計したおしゃれなカフェで、
素敵なカップルが幸せそうにお喋りしている風景を想像してみて下さい。

自分が設計した教会で幸せな結婚式が行われている風景、自分が設計した住宅で家族が幸せそうに生活している風景、
自分が設計した○○で誰かが幸せそうな顔をしている風景を想像してみて下さい。

建築って楽しそうでしょ?たぶん、やってみたら凄く楽しいと思います。